monolog
レストラン 花の木

 2019のマリリン

 ときには、映画女優になったつもりで。

「ねぇ、金髪はお好き?」
  マジックアワーは気持ちも大胆にする。
  夕陽とともに注がれたシャンパンの泡が、スパンコールのように煌めく。
「ため息が出ちゃうくらい、綺麗ね」
「わたしも少しは違って映るかしら」
  長い髪をほどいた、いつもよりもセクシーな装いで凛としてみせた。
「私のジョー・ディマジオは、今日も紳士ね」
  映画のようなロケーションにも酔いながら、
  色っぽく料理を口にするモンローを演じてみる。
  何度目だろう、ちょっと特別な日はいつもここ。
「彼女たちが新婚旅行で訪れた日らしいわ」
「マリアージュ、乾杯!」
  その瞬間にしか味わえないからこそ、美味と思いつつ、
「時代が変わっても、変わらないものもあるわ」
「ねぇ、お熱いのはお好き?」
  頭の中のBGMが、その気にさせる。